9.2 分離音をファイルに保存したい

Problem

分離した音を聞きたい、あるいは別の目的で使用したいので、ファイルに保存し たい.

Solution

基本的に SaveRawPCM もしくは SaveWavePCM モジュールを使う. SaveRawPCM モジュールの出力形式はヘッダなし Integer の Raw フォーマットである. SaveWavePCM モジュールの出力形式はヘッダ有り Integer の Wave フォーマットである. 保存したい信号の値によって,保存するための方法が異なる.
1. 実数信号(時間波形) の保存
時間波形を保存する場合は,図 9.1の様に 接続する. SaveRawPCM ,SaveWavePCM の入力に直接接続すれば良い. MultiFFT などのスペクトル変換を行なうモジュールを接続していなければ, ADVANCE パラメータは入力オブジェクト(INPUT)の次元数と同じ値を設定する.
2. 複素信号(スペクトル) の保存
スペクトルを保存する場合は,図 9.2の様に 接続する.まず,時間波形に再合成する必要があるため, Synthesize モジュールを接続し,スペクトルから時間波形に変換する. その後は,実数値信号の保存方法と同様に,SaveRawPCM ,SaveWavePCM を接続すれば良い. この時,ADVANCE パラメータは,Synthesize モジュールの ADVANCE パラメータと同じ値に設定する.

保存が成功したかどうかは,実行時に分離音ファイルが生成されたかどうかで,判定できる.

\includegraphics[width=.8\textwidth ]{fig/recipes/CB_Separation_002_2}
Figure 9.1: 接続例1
\includegraphics[width=.8\textwidth ]{fig/recipes/CB_Separation_002_1}
Figure 9.2: 接続例2

Discussion

SaveRawPCM モジュールと SaveWavePCM モジュールの違いは, ヘッダが付いているかいないかだけである.一般的には,ヘッダの 付いた wave 形式のファイルの方が他のソフトウェアなどでの 扱いが簡単であるため,特に理由が無い場合は,SaveWavePCM モジュール を使用すると良い.

See Also

HARK ドキュメントの Synthesize ,SaveRawPCM ,SaveWavePCM モジュール.