6.7.15 WhiteNoiseAdder

6.7.15.1 ノードの概要

入力信号に白色ノイズを付加する.

6.7.15.2 必要なファイル

無し.

6.7.15.3 使用方法

分離後の非線形歪みの影響を緩和するために敢えてノイズを付加する場合に用い る.例えば,PostFilter は,非線形処理を行うため,musical ノイズの発生 を避けることは難しい.このようなノイズは,音声認識性能に大きく影響する場 合がある.適量の既知ノイズを加えることにより,このようなノイズの影響を低減 できることが知られている.

典型的な接続例

例を図示.具体的なノード名をあげる.

\includegraphics[width=.95\textwidth ]{fig/modules/WhiteNoiseAdder}
Figure 6.108: WhiteNoiseAdder の接続例

6.7.15.4 ノードの入出力とプロパティ

Table 6.85: WhiteNoiseAdder のパラメータ表

パラメータ名

デフォルト値

単位

説明

LENGTH

int 

512

[pt]

FFT長

WN_LEVEL

float 

0

 

付加ノイズレベル

入力

INPUT

: Map<int, ObjectRef> 型. ObjectRef は Vector<complex<float> > であるため, 周波数領域の信号を入力することが前提である.

出力

OUTPUT

: Map<int, ObjectRef> 型.ObjectRef は Vector<complex<float> > である. 白色ノイズが付加された信号が出力される.

パラメータ

LENGTH

: FFT長,他のノードと値を合わせる必要がある.

WN_LEVEL

: 付加ノイズレベル,時間領域での最大振幅値を指定.

6.7.15.5 ノードの詳細

入力信号の各周波数ビンに対して,

  \begin{equation} \frac{\sqrt {\rm LENGTH}}{2} \cdot {\rm WN\_ LEVEL} \cdot e^{2 \pi j R} \end{equation}   (152)

を加算する.$R$は,$0 \le R \le 1$ とな る乱数である(各周波数ビンごとに異なる値となる). $\sqrt {\rm LENGTH}/2$は,FFTによる周波数解析の際に生じる時間領 域と周波数領域のスケーリングのずれを補正するための項である.